当サイトはアフィリエイト広告を利用しています

医療情報についてのご注意

当サイトは医療機関ではありません。掲載内容は各院・各社が公式サイトで公開している情報や、厚生労働省などの公的機関が公開している情報を整理したもので、効果・安全性・適応を保証するものではなく、医師の診断・治療の推奨に代わるものではありません。治療の可否・リスクは必ず医療機関(医師)にご相談ください。料金・プランは変わるため、契約前に公式サイトとカウンセリングで最新の金額をご確認ください。(本記事の確認日:2026年9月20日)

わきが手術は保険が使える?腋臭症手術は3割で9,960円〜41,220円|2026年6月の点数表と、多汗症の保険の薬3剤の薬価

わきが(腋臭症)の手術は、健康保険が使えます。ミラドライやビューホットのような切らない治療は保険の対象外ですが、切って汗腺を取る手術には診療報酬の点数が付いています。

この記事では、2026年6月1日から適用されている診療報酬点数表と、2026年4月1日から適用されている薬価をもとに、保険を使ったときに窓口で払う額(3割負担)を計算しました。数字はすべて厚生労働省が公開している告示から取っています。

先に結論

  • 腋臭症手術の点数は3段階。皮弁法6,870点、皮膚有毛部切除術3,000点、その他のもの1,660点です
  • この点数は「片側」の金額です。点数表の手術の通則13に「対称器官に係る手術の各区分の所定点数は、特に規定する場合を除き、片側の器官の手術料に係る点数とする。」とあり、腋臭症手術の名前には「両側」が付いていません。両わきなら2倍になります
  • 両わきの3割負担は、9,960円(その他のもの)〜41,220円(皮弁法)。自由診療のミラドライ(6院で139,000円〜367,400円)とは桁が違います
  • 多汗症で保険が使える塗り薬は3剤。エクロックゲル5%とラピフォートワイプ2.5%はわき(腋窩)だけ、アポハイドローション20%は手のひら(手掌)だけが効能・効果です
  • ボトックスが保険で使えるのは「重度の原発性腋窩多汗症」だけ。手のひらは保険の対象外です。日本皮膚科学会のガイドラインも「※手掌に対するBT-Aは保険適用外治療」と書いています
  • 腋臭症手術が保険適用になる条件を書いた厚生労働省の文書は、探した範囲では見つかりませんでした。点数表には「注」がなく、留意事項通知にも腋臭症手術の項目自体がありません

この記事の作り方

  • 使った資料:診療報酬の点数は令和8年厚生労働省告示第69号(令和8年3月5日公布・2026年6月1日適用)の別表第一 医科診療報酬点数表。薬価は薬価基準収載品目リスト(令和8年8月13日適用)。薬の効能・効果は医薬品医療機器総合機構(PMDA)の添付文書
  • 点数と薬価は別の告示です。点数は第69号で2026年6月1日適用、薬価は第72号で2026年4月1日適用と、適用日が違います
  • 3割の計算:点数×10円×0.3。1円未満は表示のうえで丸めていません(実際の窓口では端数処理が入ります)
  • クリニックの料金:各院の公式サイトの料金表から。比較サイトや口コミサイトの情報は使っていません
  • 確認日:2026年9月20日

表1|腋臭症手術の点数と3割の実額

腋臭症手術(区分番号K008)の点数と3割負担(2026年6月1日適用の点数表で計算)
区分術式点数(片側)3割(片側)3割(両側)
K008 1皮弁法6,870点20,610円41,220円
K008 2皮膚有毛部切除術3,000点9,000円18,000円
K008 3その他のもの1,660点4,980円9,960円

いわゆる剪除法(直視下剥離法)は、このうち皮弁法にあたると説明されることが多い術式です。ただし、どの区分で算定するかは医療機関が診療内容に応じて決めるため、当サイトでは対応づけを断定しません。

なぜ「両側は2倍」なのか

点数表の第10部 手術の通則13に、次のように書かれています。

対称器官に係る手術の各区分の所定点数は、特に規定する場合を除き、片側の器官の手術料に係る点数とする。

この「特に規定する場合」が何かは、厚生労働省の留意事項通知が定義しています。通知によれば、各区分に掲げる手術名の末尾に両側と記入したものを指します。腋臭症手術の名前に「両側」は付いていません。一方、後で出てくる胸腔鏡下交感神経節切除術には「(両側)」が付いています。

※この「両側は2倍」は、通則13と留意事項通知の規定から導いたものです。腋臭症手術を名指しして2倍と書いた通知は見つけられませんでした。実際の算定は医療機関の判断によります。

手術料のほかにかかるもの

  • 処置や通常の材料は手術料に含まれます。手術の通則1に、手術に伴って行った処置(一部の区分を除く)、診断穿刺・検体採取、手術に当たって通常使用される保険医療材料の費用は、手術料の所定点数に含まれる、と定められています
  • 薬剤と特定保険医療材料は別に加算されます。
  • 局所麻酔だけなら、麻酔の手技料は付きません。麻酔の通則6に「第1節に掲げられていない表面麻酔、浸潤麻酔又は簡単な伝達麻酔の費用は、薬剤を使用したときに限り、第3節の所定点数のみにより算定する。」とあります。つまり麻酔薬の薬剤料だけです
  • 診察代は別です。初診料は291点(3割で873円)、再診料は76点(3割で228円)です

自由診療のわきが治療と並べると

保険(両側・3割)と自由診療の金額の比較(2026年9月20日確認・税込)
区分治療窓口で払う額
保険腋臭症手術 その他のもの(両側)9,960円
保険腋臭症手術 皮膚有毛部切除術(両側)18,000円
保険腋臭症手術 皮弁法(両側)41,220円
自由診療ミラドライ 両ワキ1回(6院の幅)139,000円〜367,400円
自由診療湘南美容クリニック 完全摘出法 両わき313,000円
自由診療聖心美容クリニック 反転剪除法(切開法)両ワキ440,000円
自由診療東京美容外科 根治療法(反転剪除切開法)880,000円

当サイトが調べた美容外科7院は、いずれも自院のわきが治療を自由診療としています。共立美容外科は「※当院の提供する治療はすべて自由診療(保険適用外)です。」、ガーデンクリニックは「当院におけるワキガ・多汗症治療は保険適応外です。」と書いています。ゴリラクリニックは「ミラドライは、現時点では健康保険が 使えない保険適用外の治療法です。わきが治療の中で保険診療だと 定められているのは剪除法のみです。」としています。

保険で手術を受けたい場合は、保険診療を行っている医療機関(皮膚科・形成外科など)を受診することになります。美容外科の自由診療とは、術式・仕上がりの考え方・通院の仕組みが違います。

多汗症で保険が使える塗り薬は3剤

汗の量そのもの(多汗症)については、保険で使える塗り薬があります。大事なのは、わき用と手のひら用が分かれていることです。

多汗症の保険の薬(薬価基準収載品目リスト・令和8年8月13日適用)
薬剤名成分規格単位薬価効能・効果(添付文書)
エクロックゲル5%(科研製薬)ソフピロニウム臭化物5% 1g238.40円原発性腋窩多汗症
ラピフォートワイプ2.5%(マルホ)グリコピロニウムトシル酸塩水和物2.5% 2.5g 1包242.30円原発性腋窩多汗症
アポハイドローション20%(久光製薬)オキシブチニン塩酸塩20% 1g539.90円原発性手掌多汗症

腋窩(わき)が対象なのがエクロックゲルとラピフォートワイプ、手掌(手のひら)が対象なのがアポハイドローションです。添付文書の用法も、エクロックゲルは「1日1回、適量を腋窩に塗布する。」、ラピフォートワイプは「1日1回、1包に封入されている不織布1枚を用いて薬液を両腋窩に塗布する。」、アポハイドローションは「1日1回、就寝前に適量を両手掌全体に塗布する。」と部位が書き分けられています。

薬の3割はいくらか

薬剤料の3割(薬価から計算・調剤技術料と診察代は別)
薬量薬価の合計薬剤料3割
ラピフォートワイプ2.5%30包(1日1包で30日分)7,269.00円727点2,181円
ラピフォートワイプ2.5%14包3,392.20円339点1,017円
エクロックゲル5%20g入りボトル1本4,768.00円477点1,431円
アポハイドローション20%4.5mL(4.32g)1本2,332.37円233点699円

1か月あたりの金額をきれいに出せるのはラピフォートワイプだけです。添付文書が「1日1回1包」と量まで決めているためです。エクロックゲルとアポハイドローションは用法が「適量」としか書かれておらず、1日に何g使うかが決まっていないため、包装の単位でしか金額を出せません。

この表の3割は薬剤料だけです。院外処方なら薬局で調剤技術料などが別にかかり、窓口で払う合計はこれより高くなります。診察代(初診291点・再診76点)も別です。

ボトックスは「重度の原発性腋窩多汗症」だけが保険

ボトックス注(A型ボツリヌス毒素製剤)の添付文書の効能又は効果には、「重度の原発性腋窩多汗症」が入っています。手掌多汗症は入っていません。日本皮膚科学会の「原発性局所多汗症診療ガイドライン2023年改訂版」も、手のひらの図の注に「※手掌に対するBT-Aは保険適用外治療」と書いています。腋窩についても「※のボツリヌス毒素製剤の治療は重度の原発性腋窩多汗症にのみ保険が適用になること」としています。

用法は「通常、成人にはA型ボツリヌス毒素として片腋窩あたり50単位を、複数の部位(10~15ヵ所)に1~2cm間隔で皮内投与する。」で、両わきなら100単位です。再投与については「投与間隔は16週以上とすること。」と書かれています。

保険でボトックスを両わきに打ったときの3割(薬価と点数から計算)
バイアルの取り方薬剤料注射の手技料合計3割
100単位×1瓶(55,420円)5,542点400点5,942点17,826円
50単位×2瓶(31,531円×2)6,306点400点6,706点20,118円

同じ100単位でも、100単位のバイアル1本で足りる場合と50単位を2本使う場合とで、3割の負担が約2,300円変わります。これは薬価表から直接出る差です。

注射の手技料は腋窩多汗症注射(区分番号G017)で、片側につき200点。留意事項通知には「同一側の2箇所以上に注射を行った場合においても、1回のみの算定とする。」と書かれています。両わきなら400点です。

自由診療のボトックスと比べると、たとえば共立美容外科のアラガン製ボトックスビスタは100単位で47,600円(税込)、湘南美容クリニックは両わき100単位で46,850円(税込)です。保険で打てる場合の3割(17,826円)とは2.6倍前後の差があります。ただし保険は「重度」であることが前提で、誰でも保険で打てるわけではありません。

手のひらの汗(手掌多汗症)は選択肢が少ない

部位ごとの保険で使える治療(2026年9月20日確認)
治療わき(腋窩)手のひら(手掌)
エクロックゲル5%対象対象外
ラピフォートワイプ2.5%対象対象外
アポハイドローション20%対象外対象
ボトックス注重度の原発性腋窩多汗症のみ対象対象外(ガイドラインに明記)
胸腔鏡下交感神経節切除術(ETS)—手術として保険の点数がある

手のひらについては、保険で使える薬はアポハイドローション1剤だけです。自由診療では手のひらへのボトックスを扱う院があり、共立美容外科は100単位88,000円(税込)、湘南美容クリニックは40単位22,000円〜(税込)、聖心美容クリニックはワキ/手のひら1回55,000円(税込)と公表しています。

ETS(胸腔鏡下交感神経節切除術)の費用

交感神経の手術の点数と3割(2026年6月1日適用の点数表)
区分術式点数3割
K196-2胸腔鏡下交感神経節切除術(両側)18,500点55,500円
A400短期滞在手術等基本料3(K196-2 両側)33,988点101,964円
K196 1交感神経節切除術 頸部26,030点78,090円
K196 2交感神経節切除術 胸部16,340点49,020円

ETSは短期滞在手術等基本料3の対象です。点数表には「別に厚生労働大臣が定める保険医療機関において、当該手術を行った場合(入院した日から起算して5日までの期間に限る。)は、短期滞在手術等基本料3を算定する。」と書かれています。この基本料で算定される場合は、入院を含めた包括の点数(33,988点・3割で101,964円)になります。「手術料だけで55,500円」という読み方をすると、実際に払う額とずれます。

日本皮膚科学会のガイドラインは、交感神経遮断術について「※※交感神経遮断術は重症、保存的治療に抵抗性で患者本人の強い希望があること(C1)、また、切断部位はT2領域を避けることが望ましい(C1)」としています。最初から選ぶ治療ではない、という位置づけです。

保険が使えるかどうかは、診断で決まる

腋臭症手術が保険適用になる条件を示した厚生労働省の文書は、探した範囲では見つかりませんでした。点数表の腋臭症手術には「注」がなく、留意事項通知にも腋臭症手術の項目自体がありません(通知727ページを検索)。

書けるのは一般原則までです。保険医療機関及び保険医療養担当規則の第12条には「保険医の診療は、一般に医師として診療の必要があると認められる疾病又は負傷に対して、適確な診断をもととし、患者の健康の保持増進上妥当適切に行われなければならない。」とあります。つまり、保険が使えるかどうかは医師の診断によります。

多汗症については、日本皮膚科学会のガイドラインが診断基準を示しています。

局所的に過剰な発汗が明らかな原因がないまま6カ月以上認められ、以下の6症状のうち2項目以上あてはまる場合を多汗症と診断している。1)最初に症状がでるのが25歳以下であること 2)対称性に発汗がみられること 3)睡眠中は発汗が止まっていること 4)1週間に1回以上多汗のエピソードがあること 5)家族歴がみられること 6)それらによって日常生活に支障をきたすこと

重症度の目安(HDSS)も示されています。1は発汗が全く気にならず日常生活に支障がない状態、4は発汗を我慢できず日常生活に常に支障がある状態で、3と4を重症の指標とするとされています。

関連記事

まとめ

  • 腋臭症手術は保険の対象。点数は片側で6,870点・3,000点・1,660点の3段階
  • 対称器官の手術は片側の点数なので、両わきは2倍。3割は9,960円〜41,220円
  • ミラドライ・ビューホット・自由診療のボトックスは保険の対象外
  • 多汗症の保険の塗り薬は3剤で、わき用2剤と手のひら用1剤に分かれる
  • ボトックスが保険で使えるのは重度の原発性腋窩多汗症だけ。手のひらは保険適用外
  • ETSは短期滞在手術等基本料3で算定される場合、入院込みで3割101,964円
  • 腋臭症手術の保険適用の条件を書いた厚生労働省の文書は見つけられなかった。保険が使えるかどうかは医師の診断による

この記事の金額は点数表と薬価から計算した目安です。実際の窓口負担は、医療機関の施設基準・加算・端数処理・処方の内容によって変わります。治療の選び方は、金額だけでなく医師の説明を聞いたうえで判断してください。

出典

すべて2026年9月20日に確認しました。

本記事はクリニックタイムズ編集部が各院・各社の公式サイトおよび公的機関の公開情報をもとに作成しました。掲載内容は確認日時点のものであり、特定の院・特定のサービスでの受診・契約を推奨・保証するものではありません。