医療情報についてのご注意
当サイトは医療機関ではありません。掲載内容は添付文書・審査報告書・厚生労働省・学会などの公開資料を整理したもので、効果・安全性を保証するものではなく、医師の診断・治療に代わるものではありません。マンジャロ(チルゼパチド)の効能は2型糖尿病で、肥満治療目的・痩身目的での使用は国内で承認されていない目的での使用にあたります。使用の可否・量・リスクは必ず医師・薬剤師にご相談ください。(本記事の確認日:2026年10月31日)
マンジャロ・ゼップバウンドで体重はどれだけ減る?臨床試験の数字と2.5mgのまま・やめた後の変化
マンジャロ(成分名チルゼパチド)・ゼップバウンド(同じくチルゼパチド)・ウゴービ(成分名セマグルチド)について、何キロ痩せるのか、2.5mgのままで効くのか、やめたらどうなるのかを調べている人に向けて、国の審査で使われた臨床試験の数字を整理しました。使った資料は、PMDA(医薬品医療機器総合機構)に掲載されている添付文書・審査報告書と、厚生労働省の最適使用推進ガイドライン・注意喚起のページです(いずれも2026年10月31日確認)。
最初に押さえておきたいのは、マンジャロの添付文書の効能又は効果は「2型糖尿病」だけだという点です。厚生労働省は「マンジャロやリベルサスなどのGLP-1受容体作動薬等は、2型糖尿病などの治療のために承認された医薬品です。」としたうえで、「これらの医薬品を美容・痩身・ダイエット目的で使用した場合の安全性及び有効性は確認されておらず、安易な使用は思わぬ健康被害につながるおそれがあり、危険です。」と注意を呼びかけています。
この記事の体重の数字は、マンジャロは2型糖尿病の患者、ゼップバウンドとウゴービは肥満症の患者を対象にした試験のものです。どちらにも当てはまらない人が使ったときの数字ではありません。また、どの試験も食事療法・運動療法をあわせて行っています。
先に答え:マンジャロ・ゼップバウンド・ウゴービで体重はどれだけ減った?(2026年10月31日確認)
- マンジャロ:日本人の2型糖尿病の患者の試験(GPGO試験・52週)で、体重の平均の変化量は5mgで-5.8kg、10mgで-8.5kg、15mgで-10.7kgと報告されています(比べた薬のデュラグルチドは-0.5kg)。
- ゼップバウンド:日本人の肥満症の患者の試験(GPHZ試験・72週・糖尿病の人は除外)で、体重の変化率は10mgで-18.4%、15mgで-22.6%、プラセボ(有効成分の入っていない注射)で-1.8%と報告されています。
- ウゴービ:日本人・韓国人の肥満症の患者の試験(4382試験・68週)で、体重の変化率は2.4mgで-13.4%、1.7mgで-9.9%、プラセボで-1.9%と報告されています。
- 2.5mgのまま:マンジャロもゼップバウンドも2.5mgは開始用量(始めるときの量)で、維持する量ではありません。維持用量はマンジャロが5mg、ゼップバウンドが10mgです(ゼップバウンドは5mgで続けることも考慮できます)。
- 効果が不十分なとき:ゼップバウンドとウゴービは、3~4ヵ月使っても改善の傾向がなければ中止すると添付文書に書かれています。
- やめたら:海外の試験(GPHN試験)では、薬をプラセボに切り替えた人の体重は、切り替えた時点から52週で平均14.5%増えたと審査報告書に書かれています。この数字は添付文書には載っていません。
- 使える期間:保険で使う場合の最適使用推進ガイドラインでは、ゼップバウンドは最大72週間、ウゴービは最大68週間です。
出典は記事末尾の添付文書・厚生労働省などの資料。
この記事の作り方
- 参照した資料:マンジャロ皮下注アテオスの添付文書(2026年9月改訂・第11版)、ゼップバウンド皮下注アテオスの添付文書(2026年9月改訂・第6版)、ウゴービ皮下注SDの添付文書(2026年6月改訂・第7版)、マンジャロ(2022年)・ゼップバウンド(2024年)・ウゴービ(2023年)の審査報告書、マンジャロのインタビューフォーム、厚生労働省の最適使用推進ガイドライン(ゼップバウンド:令和7年3月・令和8年5月改訂/ウゴービ:令和5年11月・令和8年6月改訂)、厚生労働省の注意喚起のページ、日本肥満学会のステートメント(2025年4月10日改訂・2026年10月1日)。
- 確認日:すべて2026年10月31日。
- 試験の名前は、資料に書かれている試験番号(GPGO試験・GPHZ試験・4382試験など)で書いています。
- 数字は試験に参加した人の平均です。一人ひとりの体重がこのとおりに変わるという意味ではありません。
- 載せないもの:口コミ・体験談・個人の何キロ痩せたという報告・ビフォーアフター・クリニックの宣伝。
- 今回参照していない資料:患者向医薬品ガイド・くすりのしおり(今回は取得できませんでした)、製薬会社の医療関係者向けのQ&A。
マンジャロ・ゼップバウンド・ウゴービは何の薬?(対象のちがい)
3つの薬は、承認されている病気が違います。体重の数字を読む前に、どの人を対象にした試験なのかを確かめてください。薬ごとの違いと保険で使える条件はマンジャロとゼップバウンド・ウゴービの違いで整理しています。
| 薬(成分名) | 効能又は効果 | この記事の体重の数字の対象 |
|---|---|---|
| マンジャロ(チルゼパチド) | 2型糖尿病 | 2型糖尿病の患者(体重の変化量=kg) |
| ゼップバウンド(チルゼパチド) | 肥満症(高血圧・脂質異常症・耐糖能障害のいずれかがあり、BMIなどの条件を満たす場合)、中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(BMI27以上) | 肥満症の患者(体重の変化率=%) |
| ウゴービ(セマグルチド) | 肥満症(高血圧・脂質異常症・2型糖尿病のいずれかがあり、BMIなどの条件を満たす場合)、肝硬変を伴わない代謝機能障害関連脂肪肝炎 | 肥満症の患者(体重の変化率=%) |
マンジャロの添付文書には、さらに「投与開始時のBody Mass Index(BMI)が23kg/m2未満の患者での本剤の有効性及び安全性は検討されていない。」とあります(8.9)。BMIは体重(kg)を身長(m)の2乗で割った値です。2型糖尿病でも肥満症でもない人、BMIが23未満の人について、どれだけ体重が変わるかを示した試験の数字は、読んだ資料にはありません。
マンジャロで何キロ痩せる?(2型糖尿病の患者の試験)
マンジャロの添付文書には、日本人の2型糖尿病の患者636例を対象にした試験(GPGO試験・52週)の体重の変化が載っています。比べた薬はデュラグルチド(同じ系統の別の糖尿病の薬)です。どの群も週1回2.5mgで始め、4週間ごとに2.5mgずつ増やして、5mg・10mg・15mgにしています。試験の対象は、食事・運動療法で血糖のコントロールが不十分な人です。
| 群 | 例数 | 試験開始時の体重(平均) | 52週までの体重の変化量(最小二乗平均) |
|---|---|---|---|
| マンジャロ5mg | 159例 | 78.6kg | -5.8kg |
| マンジャロ10mg | 158例 | 79.1kg | -8.5kg |
| マンジャロ15mg | 160例 | 78.9kg | -10.7kg |
| デュラグルチド0.75mg | 159例 | 76.5kg | -0.5kg |
この試験の主な目的は血糖(HbA1c)を下げることで、体重は副次的に見た項目です。同じ添付文書の国際共同試験(日本人を含む2型糖尿病の患者478例・40週・プラセボと比較)では、体重の変化量は5mgで-7.0kg、10mgで-7.8kg、15mgで-9.5kg、プラセボで-0.7kgと報告されています(17.1.1)。
添付文書は、体重が用量に応じて減ることについて「血糖コントロールだけでなく、体重減少にも注意し、本剤の増量の必要性を慎重に判断すること。」としています(7.4)。審査報告書(2022年)には、第II相・第III相試験をまとめたデータで、試験の途中でBMIが18.5以下(低体重)まで減った人が30例いて、そのうち21例が日本人だったことも書かれています(30例とも試験開始時のBMIは23以上30未満)。
ゼップバウンドで何キロ痩せる?(肥満症の患者の試験)
ゼップバウンドの添付文書には、日本人の肥満症の患者225例を対象にした試験(GPHZ試験・72週)が載っています。対象は、BMIが27以上で肥満に関連する健康障害が2つ以上ある人、またはBMIが35以上で1つ以上ある人です。糖尿病の人は除外されています。添付文書には「試験期間中、被験者は食事のカロリー制限及び身体活動の増加を併せて行った。」とあります。
| 項目 | ゼップバウンド10mg(73例) | ゼップバウンド15mg(77例) | プラセボ(75例) |
|---|---|---|---|
| 試験開始時の体重(平均) | 92.5kg | 91.9kg | 92.0kg |
| 72週時の体重(平均) | 76.3kg | 71.9kg | 90.5kg |
| 72週時の体重の変化率(平均) | -18.4% | -22.6% | -1.8% |
| 5%以上減った人の割合 | 94.9% | 96.9% | 21.2% |
| 10%以上減った人の割合 | 88.1% | 92.3% | 4.6% |
| 15%以上減った人の割合 | 67.8% | 83.1% | 1.5% |
| 20%以上減った人の割合 | 44.1% | 66.2% | 0.0% |
72週時の数字は、評価できた人(10mg群59例・15mg群65例・プラセボ群66例)の値です。言いかえると、10mg群でも20%以上減った人は半分に届いておらず、プラセボ群でも5%以上減った人が約2割いました。
ウゴービで何キロ痩せる?(肥満症の患者の試験)
ウゴービの添付文書には、日本人と韓国人の肥満症の患者401例を対象にした試験(4382試験・68週)が載っています(日本人は2.4mg群179例・1.7mg群92例・プラセボ群89例)。対象は、高血圧・脂質異常症・2型糖尿病のいずれかがあり、BMIなどの条件を満たす人で、2型糖尿病のある人も含まれています。この試験も、食事のカロリー制限と身体活動の増加をあわせて行っています。
| 項目 | ウゴービ1.7mg(101例) | ウゴービ2.4mg(199例) | プラセボ(101例) |
|---|---|---|---|
| 試験開始時の体重(平均) | 86.1kg | 86.9kg | 90.2kg |
| 68週時の体重(平均) | 77.8kg | 75.1kg | 88.6kg |
| 68週時までの体重の変化率(平均) | -9.9% | -13.4% | -1.9% |
| 5%以上減った人の割合 | 72.4% | 82.9% | 21.0% |
| 10%以上減った人の割合 | 41.8% | 60.6% | 5.0% |
| 15%以上減った人の割合 | 24.5% | 40.9% | 3.0% |
ゼップバウンドのGPHZ試験とウゴービの4382試験は、対象の人(糖尿病の人を含むかどうか)・期間(72週と68週)・使った量が違います。2つの表の数字を並べてどちらがよく効くかを決めることはできません。
マンジャロが痩せる理由は?(添付文書の作用機序)
マンジャロの添付文書の作用機序の項は、血糖を下げる仕組み(インスリンの分泌を促すこと)を中心に書かれています。体重が減る仕組みは、同じ成分のゼップバウンドの添付文書に「本剤は中枢神経系においてGIP受容体及びGLP-1受容体に作用することにより食欲を調節し、また、脂肪細胞のGIP受容体に作用することにより脂質等の代謝を亢進させることで、体重減少作用を示すと考えられる。」と書かれています(18.1)。食欲を調節する働きと、脂肪の代謝に関わる働きの2つが挙げられています。
マンジャロ2.5mgのままでいい?2.5mgは効かない?
マンジャロの添付文書の用法及び用量は「通常、成人には、チルゼパチドとして週1回5mgを維持用量とし、皮下注射する。ただし、週1回2.5mgから開始し、4週間投与した後、週1回5mgに増量する。」です。2.5mgは最初の4週間に使う開始用量で、続けて使う量(維持用量)は5mgとされています。
| 薬 | 始める量 | 続ける量(維持用量) | 増やせる上限 |
|---|---|---|---|
| マンジャロ | 週1回2.5mg(4週間) | 週1回5mg | 5mgで効果不十分なら4週間以上の間隔で2.5mgずつ、最大週1回15mg |
| ゼップバウンド(肥満症) | 週1回2.5mg(4週間の間隔で2.5mgずつ増量) | 週1回10mg(5mgまで減量できる) | 4週間以上の間隔で2.5mgずつ、最大週1回15mg |
| ウゴービ(肥満症) | 週1回0.25mg(4週間の間隔で0.5mg・1.0mg・1.7mgと増量) | 週1回2.4mg(状態に応じて減量) | 2.4mg |
マンジャロの審査報告書によると、2.5mgから始めて少しずつ増やす方法にしたのは、海外の試験で、増やす幅を小さくし期間を長くすると「胃腸障害の発現が軽減する傾向が示唆された」ためです。つまり2.5mgは、体の慣らしのための量という位置づけです。マンジャロのインタビューフォーム(医療関係者向けの詳しい資料)にも、国内外の4つの試験で「チルゼパチドは5mg、10mg及び15mgの3用量を維持用量として、週1回皮下投与した。」とあります。
そのため、2.5mgだけを続けたときに体重がどれだけ変わるかを調べた試験の数字は、読んだ資料(添付文書・審査報告書・インタビューフォーム)には見つけられませんでした。2.5mgは効かないとも、2.5mgで十分とも、資料からは言えません。
一方、吐き気などで増量がつらい場合について、マンジャロの添付文書は「胃腸障害等の発現により忍容性が得られない患者では減量又は漸増の延期を考慮すること。」としています(忍容性=副作用に耐えられること)。2.5mgを長めに続けるかどうかは、この考え方に沿って医師が決めることです。自分の判断で量を変えたり、2本打ったりしないでください。打ち方の決まりはマンジャロの使い方・打ち忘れ、吐き気などはマンジャロの副作用で整理しています。
マンジャロ5mgの効果は?ゼップバウンド5mgは?
マンジャロ5mgは、上のGPGO試験(2型糖尿病・52週)で体重の変化量が-5.8kgと報告されています。
ゼップバウンドの添付文書は「患者の体重減少の程度や本剤に対する忍容性に応じて、週1回5mgで治療を継続することも考慮すること。」としています(7.4)。ゼップバウンドの審査報告書(2024年)によると、5mgを含めて比べた国際共同試験(GPHK試験・糖尿病のない肥満の人など・72週)で、5mg群の体重の変化率は全体で-16.5%、日本人の部分集団(23例)で-12.3%でした。同じ試験の10mg群は全体で-21.9%、15mg群は-22.9%です。
マンジャロで痩せない・効かないときは?
効果が不十分なときの決まりは、薬によって何を見るかが違います。
| 薬 | 見るもの | 資料の書き方 |
|---|---|---|
| マンジャロ(8.2) | 血糖・尿糖(2型糖尿病の治療の効果) | 3~4ヵ月使って効果が不十分なら、より適切な治療への変更を考える |
| ゼップバウンド(8.16) | 体重・血糖・血圧・脂質など | 3~4ヵ月使っても改善の傾向がなければ中止する |
| ウゴービ(8.15) | 体重・血糖・血圧・脂質など | 3~4ヵ月使っても改善の傾向がなければ中止する |
マンジャロの添付文書の8.2は「3~4ヵ月間投与して効果が不十分な場合には、より適切と考えられる治療への変更を考慮すること。」という文で、血糖を下げる効果についての決まりです。体重がどれだけ減れば効果ありとするかの基準は、マンジャロの添付文書にはありません(マンジャロは体重を減らす薬として承認されていないためです)。
ゼップバウンドの添付文書は「本剤を3~4ヵ月間投与しても改善傾向が認められない場合には、本剤の投与を中止すること。」としています(8.16)。ウゴービも同じく「3~4ヵ月間投与しても改善傾向が認められない場合には、本剤の投与を中止すること。」としています(8.15)。最適使用推進ガイドラインも、投与を始めたあと毎月、体重・血糖・血圧・脂質などを確かめるよう求めています。
また、ゼップバウンドの添付文書には「本剤投与中は食事療法・運動療法を継続すること。」とあります(8.1)。ただし、体重が減らないからといって食事を極端に減らすのは危険です。日本肥満学会は「急激な減量を目的とした過度の食事制限は、さまざまな健康障害のリスクを高める可能性がある。」としています(2026年10月1日のステートメント)。
マンジャロをやめたらどうなる?リバウンドは?
薬をやめたあとの体重の変化は、添付文書・最適使用推進ガイドラインには載っていません。数字が書かれているのは、国の審査の記録である審査報告書です。
| 試験 | どんな試験か | 薬を続けた群 | 薬をやめた群 |
|---|---|---|---|
| GPHN試験(ゼップバウンド・海外) | 2型糖尿病のない肥満の人などが、最初の36週間はゼップバウンド(10mgか15mg)を全員使い、そのあと52週間、続ける群とプラセボに切り替える群に分けた | 切り替えた時点からの体重の変化率 -6.6±8.56%(299例) | 切り替えた時点からの体重の変化率 14.5±9.63%(273例)=増加 |
| 4373試験の延長期間(ウゴービ・国際共同) | 68週間使ったあと、薬も生活指導もない状態で120週まで様子を見た | - | 2.4mg群:試験開始時からの体重の変化率は68週時-17.3±9.3%(228例)→120週時-5.6±8.9%(197例)/プラセボ群:-2.0±6.1%(99例)→-0.1±5.8%(93例) |
GPHN試験の数字は、試験の開始時からではなく、プラセボに切り替えた時点(36週時)からの変化です。審査報告書には、製薬会社(申請者)の説明として「プラセボ群では体重の増加が認められたが、本剤群では体重が維持されていた。」とあります。PMDA(機構)はこれを受けて「本剤の投与を中止した後に体重及び合併する健康障害に関連するパラメータが悪化する傾向が示されていることから、本剤の投与を中止するタイミングは慎重に判断する必要がある。」との考えを示しています。
4373試験の延長期間について、ウゴービの審査報告書は「いずれの投与群でも平均体重の増加が認められたが、本剤群ではベースラインと比較して体重減少を維持していた。」としています。血圧やコレステロールなど多くの値は、試験開始時の近くまで戻っていたと書かれています。
日本肥満学会のステートメント(2025年4月10日改訂)は、肥満症の薬について「本剤の使用継続や中止は医師の管理下で行われるべきであり、中止後の健康障害の変化にも十分に注意を払う必要がある。」としています。なお、2つの試験はどちらも肥満症の薬の試験で、2型糖尿病の薬としてマンジャロを使っていた人がやめた場合の体重の変化は、読んだ資料には見つけられませんでした。
ゼップバウンド・ウゴービは何ヶ月続けられる?(投与期間の上限)
保険で使うときに守る厚生労働省の最適使用推進ガイドラインには、使える期間の上限があります。ゼップバウンドは「本剤の投与は最大72週間とすること。」、ウゴービは「本剤の投与は最大68週間とすること。」です。日本人を対象にした試験の期間(72週・68週)に合わせた上限です。
| 項目 | ゼップバウンド | ウゴービ |
|---|---|---|
| 投与期間の上限 | 最大72週間 | 最大68週間 |
| 3~4ヵ月で改善の傾向がないとき | 中止 | 中止 |
| 十分に減ったとき | 72週を待たずに中止し、食事療法・運動療法だけで管理することを考える | 68週を待たずに中止し、食事療法・運動療法だけで管理することを考える |
| やめたあと肥満症が悪化したとき | 計画に沿った食事療法・運動療法(2ヵ月に1回以上の管理栄養士の栄養指導を含む)を原則6ヵ月以上行っても必要な場合に限り、もう一度使える | 同じ |
もう一度使う条件について、ゼップバウンドのガイドラインは「当該計画に基づく治療を原則として6ヵ月以上実施しても必要な場合に限って本剤を投与すること。」としています。健康障害が悪化して、やむを得ず6ヵ月を待たずに再開を考える場合は、その必要性を十分に検討して治療計画を作ることとされています。
同じガイドラインは「治療対象となる肥満症以外での痩身・ダイエットなどを目的に本剤を投与してはならない。」とも書いています。なお、マンジャロには最適使用推進ガイドラインがなく、体重を減らす目的での投与期間の上限という決まりもありません(マンジャロは2型糖尿病の薬のため)。
マンジャロを痩せる目的で使うのは?
マンジャロを2型糖尿病の治療ではなく痩せる目的で使うのは、承認された使い方(効能又は効果)の外の適応外の使い方で、保険はききません(自由診療)。厚生労働省は、この目的での「安全性及び有効性は確認されておらず」としています。この記事のマンジャロの数字は、すべて2型糖尿病の患者の試験のものです。
また、厚生労働省は、医薬品副作用被害救済制度(薬の副作用で重い健康被害が出たときに医療費などを給付する公的な制度)について、美容・痩身・ダイエット等の目的で適応外使用された場合は「救済制度の救済給付を受けられない可能性が非常に高いです。」としています。オンライン診療で処方を受ける場合の料金や解約の条件は医療ダイエットのオンライン診療の料金7社と解約・返金7社にまとめています。
資料に書かれていないこと
- 1ヶ月・3ヶ月で何キロ減るか:添付文書の表は52週・68週・72週など試験の終わりの値で、1ヶ月ごとの体重の数字は本文に書かれていません(ゼップバウンドの審査報告書には推移の図がありますが、月ごとの数字の表はありません)。
- 2.5mgだけを続けたときの体重の変化:マンジャロ・ゼップバウンドの添付文書・審査報告書・マンジャロのインタビューフォームに、2.5mgを維持用量にした試験は見つけられませんでした。
- 2型糖尿病でも肥満症でもない人の体重の変化:上記の資料のどれにも、そうした人を対象にした試験の数字はありません。
- マンジャロをやめたあとの体重:マンジャロの添付文書・審査報告書に、やめたあとの体重を調べた試験の数字は見つけられませんでした(やめたあとの数字は、ゼップバウンドとウゴービの審査報告書にあります)。
- 年齢・性別ごとの体重の変化:添付文書には群ごとの平均しか載っていません。
受診のときに医師に確認しておきたいこと
- 自分は2型糖尿病・肥満症のどちらかに当てはまりますか。当てはまらない場合、この薬を使う理由は何ですか。
- いまの量(2.5mgなど)はいつまで続け、いつ増やす予定ですか。増やさない場合の理由は何ですか。
- 3~4ヵ月後に、何を見て続けるかやめるかを決めますか。
- 体重が減りすぎたとき(BMIがどこまで下がったら)、量を減らしたりやめたりしますか。
- やめるときはどのように進め、やめたあとはどのくらいの間隔で体重や血液検査を見てもらえますか。
- 保険で使えない場合、救済制度の対象にならない可能性があることについて、どう考えればよいですか。
よくある質問
マンジャロで何キロ痩せますか?
何キロ痩せるとは言えません。日本人の2型糖尿病の患者の試験(GPGO試験・52週)で、体重の平均の変化量は5mgで-5.8kg、10mgで-8.5kg、15mgで-10.7kgと報告されています。2型糖尿病でない人の数字ではありません。
ゼップバウンドは何キロ痩せますか?
日本人の肥満症の患者の試験(GPHZ試験・72週)で、体重の変化率は10mgで-18.4%、15mgで-22.6%、プラセボで-1.8%と報告されています。試験開始時の平均体重は約92kgで、食事のカロリー制限と身体活動の増加をあわせて行っています。
ウゴービは体重を何キロ痩せますか?
日本人・韓国人の肥満症の患者の試験(4382試験・68週)で、体重の変化率は2.4mgで-13.4%、1.7mgで-9.9%、プラセボで-1.9%と報告されています。
マンジャロ2.5mgのままで続けてもいいですか?
添付文書では、2.5mgは最初の4週間の開始用量で、その後5mgに増やすことになっています。吐き気などで増量がつらいときは、医師が減量や増量の延期を考えることになっています。2.5mgだけを続けたときの効果を調べた試験は、読んだ資料には見つけられませんでした。
マンジャロで痩せないときは、量を増やせばいいですか?
自分の判断で増やさないでください。マンジャロの添付文書は、体重の減り方にも注意して「本剤の増量の必要性を慎重に判断すること」としています。ゼップバウンドとウゴービは、3~4ヵ月使っても改善の傾向がなければ中止すると書かれています。
マンジャロをやめたらどうなりますか?リバウンドしますか?
マンジャロをやめたあとの体重の数字は、読んだ資料には見つけられませんでした。同じ成分のゼップバウンドの海外の試験(GPHN試験)では、プラセボに切り替えた群の体重が、切り替えた時点から52週で平均14.5%増えたと審査報告書に書かれています。
ゼップバウンドは何ヶ月使えますか?
保険で使う場合の最適使用推進ガイドラインでは、最大72週間です(ウゴービは最大68週間)。3~4ヵ月使っても改善の傾向がなければ中止します。
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出典
- マンジャロ皮下注アテオス 添付文書(2026年9月改訂・第11版)|PMDA(2026年10月31日確認)
- ゼップバウンド皮下注アテオス 添付文書(2026年9月改訂・第6版)|PMDA(2026年10月31日確認)
- ウゴービ皮下注SD 添付文書(2026年6月改訂・第7版)|PMDA(2026年10月31日確認)
- マンジャロ皮下注 審査報告書(2022年)|PMDA(2026年10月31日確認)
- ゼップバウンド皮下注 審査報告書(2024年)|PMDA(2026年10月31日確認)
- ウゴービ皮下注 審査報告書(2023年)|PMDA(2026年10月31日確認)
- マンジャロ皮下注アテオス 医薬品インタビューフォーム(2026年10月31日確認)
- 最適使用推進ガイドライン チルゼパチド(販売名:ゼップバウンド皮下注)~肥満症~(令和7年3月・令和8年5月改訂)|厚生労働省(2026年10月31日確認)
- 最適使用推進ガイドライン セマグルチド(遺伝子組換え)(販売名:ウゴービ皮下注)~肥満症~(令和5年11月・令和8年6月改訂)|厚生労働省(2026年10月31日確認)
- マンジャロ・リベルサスなどの2型糖尿病治療薬の美容・痩身目的での使用による健康被害にご注意ください|厚生労働省(2026年10月31日確認)
- 肥満症治療薬の安全・適正使用に関するステートメント(2025年4月10日改訂)|日本肥満学会(2026年10月31日確認)
- 安全な減量に関するステートメント(2026年10月1日)|日本肥満学会(2026年10月31日確認)